法学部の志望理由書の合格できる書き方を徹底解説!【大学受験】

法学部に実際に合格した先輩の志望理由書

–設問1)大学に入って学びたいこと(MAX570字)

私は広島市で育ち、世界の平和について深く考え続けてきた。それは、入所被爆をした曽祖父を持つ被爆4世であることと、小さい頃から被爆者の方に原爆投下時の話を聞く平和教育を受けてきたからだ。特に、家の近くにある被爆建物の旧広島陸軍被服支廠倉庫に入り、爆風で変形した鉄扉を見て原爆の凄惨さを目の当たりにした経験が強く印象に残っている。今日では当たり前のようになった平和な状態とはかけ離れた当時の現実を目にし、強い課題感と広島県民として平和への大きな使命感を抱いた。

そんな考えを抱いていた中学校3年生の秋、広島からの選出である岸田前外務大臣に外交官の使命についての話を伺った。実際に外交の場を経験してきた方の言葉には重みがあり、深く心に刻まれた。その後、国際社会の平和は法の支配なくしては実現しえないと確信し、国際法を専門的に学ぶことを決意した。

この目標のためには、憲法や行政法など公法分野の基礎を固めたうえで、国際公法や国際人道法を深く学ぶ必要がある。特に、核兵器の使用が国際法上いかなる評価を受けるかという問題に強い関心を持っている。また、国際法の実効性を確保するための国際組織法や紛争解決手続についても学びたい。それに加え、外国語では英語だけでなくフランス語を履修し、国際法の原典にあたる力をつけたい。国際社会の複雑な問題に法学の知見で向き合うため、幅広い視野と専門知識を大学で身につけたい。

設問2)10年後の姿(400字程度)

私は10年後には、大学で学んだ国際法や政治学の知識を生かして、国際機関で平和構築に携わる法務官として働いていたい。

具体的には、大学院で国際法を専攻したうえで、国際連合や国際司法裁判所などの国際機関に勤務し、国際紛争の法的解決や国際人道法の履行確保に貢献したい。核兵器禁止条約が発効したものの核保有国の参加が進まない現状において、法的枠組みの実効性をいかに高めるかは喫緊の課題である。この問題に法律の専門家として取り組みたい。また、東アジアにおける領土問題や歴史認識をめぐる対立が続く中で、国際法に基づく紛争の平和的解決を推進する役割を果たしたい。広島で育った自分だからこそ持てる核廃絶と平和への切実な思いを、国際法の実務の中で体現したいと考えている。

設問3)これまでの行動(400字程度)

私はこれまで、岸田前外務大臣に外交官の使命についてのお話を聞いたり、国際法や国際政治に関する本をいくつか読んだり、模擬国連に参加したりしてきた。

中でも「国際法」(大沼保昭氏著)を拝読したことは私の財産となっている。この本では国際法の歴史的発展と現代的課題が体系的に論じられており、法の支配が国際平和にとっていかに重要かを深く理解する契機となった。他にも最上敏樹氏の著書「国際機構論」を読み、国際連合をはじめとする国際機関の役割と限界について理解を深めた。

また、高校2年生のときに模擬国連大会に参加し、核軍縮をテーマとする委員会でフランス大使役を務めた。各国の立場から核兵器問題を議論する中で、国際交渉における法的根拠の重要性を実感した。さらに、広島平和記念資料館で国際司法裁判所の核兵器使用に関する勧告的意見の資料を閲覧し、国際法と核問題の関係について自らの考えを深めることができた。

設問4)今年のニュース(400字程度)

私は日韓関係の悪化の中で、韓国がGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を通告したニュースに強い関心を持った。

日本と韓国の衝突の中、安全保障分野における国際的な合意が一方的に破棄されようとしたことには大きな衝撃を受けた。国際法の観点から見れば、二国間条約や協定の安定的な履行は国際秩序の根幹をなすものであり、政治的な対立を理由に安全保障上の合意を覆すことは、法の支配の弱体化を意味する。北朝鮮の脅威が現実に存在する東アジアにおいて、法に基づく協力体制の維持は地域の安定に不可欠であると考える。この問題は、国際法が政治的意思によってどれほど容易に揺らぎうるかを示しており、法的枠組みの実効性を高めるための制度設計の必要性を痛感させた。感情的な対立を超え、法の支配に基づいた国際関係を構築することの重要性を、このニュースを通じて改めて強く感じた。

設問5)大学の先生(400字程度)

私が学びたいと思っている国際法・国際政治学は、慶應義塾大学法学部の細谷雄一教授の専門分野と深く関わるものである。細谷教授はイギリス外交史を専門とされており、近現代の国際秩序の形成過程について精力的に研究されている。

私が高校3年生の世界史の授業で、19世紀ヨーロッパにおけるウィーン体制の範囲を学んだ際、国際法に基づく秩序形成の歴史についてさらに深く学びたいと考え、自ら調べ始めた。その過程で、教授の著書「国際秩序 ―18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ」に出会い、国際秩序の歴史的な変遷と法の支配の意義について体系的に学ぶことができた。それをきっかけに教授の研究内容や業績について詳しく調べるうちに、教授が国際政治と法秩序の交差する領域で先駆的な研究を行っていることを知った。教授のご指導のもとで国際秩序論を法学の視点から深く学ぶことが、国際法の専門家を目指す自分にとって最善の道であると確信している。

法学部志望の志望理由書~5つの設問への戦略的アプローチ

法学部の志望理由書は、ただ法律に興味があるという気持ちを書くだけでは合格には届きません。 大学側は志望理由書を通じて、受験生の目的意識や法学への理解度、そして将来のビジョンまでしっかりと見ています。 つまり、法学部の志望理由書には戦略が必要です。

この記事では、法学部の志望理由書を5つの設問に答えるプロセスで完成させる方法を解説します。 法律への興味、法律家としてのビジョン、法学での行動実績、法律ニュースの分析、法学研究者の調査という5つの要素を統合することで、説得力のある志望理由書に仕上げることができます。 合格者の実例も掲載していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

法学部の志望理由書で最も大切なのは、なぜ法律を学びたいのかという動機と、法律を学んだ先に何を実現したいのかという将来像を一本の軸でつなぐことです。 この軸がぶれていると、どれだけ立派な文章を書いても試験官の心には響きません。 5つの設問に一つずつ答えていくことで、自然とこの軸が見えてくる仕組みになっています。

【法学部向け設問1】大学で学びたいことへの具体的な答え方~法律への目覚め

最初の設問は、大学に入って何を学びたいのかを具体的に書くことです。 ここで重要なのは、単に憲法を学びたいですとか民法に興味がありますという漠然とした書き方ではなく、なぜその分野に関心を持ったのかという原体験を示すことです。 原体験とは、法律に対する関心が芽生えた具体的なきっかけのことを指します。

たとえば、家族が法的トラブルに巻き込まれた経験、ニュースで見た社会問題への違和感、地域の課題に向き合った体験など、自分自身の生活の中から法律とのつながりを見つけることが出発点になります。 この原体験は大きな出来事である必要はありません。 日常の中で感じた小さな疑問や不満であっても、そこから法律への関心がどのように広がっていったかを丁寧に描くことが大切です。

原体験を示した後は、大学でどの法分野を中心に学びたいのかを明確にします。 法学には憲法、民法、刑法、商法、行政法といった基本六法に加え、国際法、環境法、知的財産法など多くの専門分野があります。 自分の原体験と結びつく分野を選び、なぜその分野を深く学ぶ必要があるのかを説明してください。

この設問で気をつけたいのは、きっかけの話だけで終わってしまわないことです。 原体験に多くの字数を費やしすぎると作文のようになってしまい、法学部で何を学びたいのかという本題がぼやけてしまいます。 きっかけは簡潔にまとめ、学びたい内容とその理由を中心に書くことを意識してください。

また、学びたい内容を書く際には、その大学の法学部でなければならない理由も意識しておくと良いです。 志望する大学のカリキュラムやゼミの内容を事前に調べておき、自分の学びたいこととどのように結びつくのかを頭に入れておきましょう。 この段階で完全に書き込む必要はありませんが、設問5の教授の研究内容と合わせて、その大学だからこそ学べることを後から統合しやすくなります。

【法学部向け設問2】卒業後のビジョン~法律家としての10年後

2つ目の設問は、大学を卒業した後にどのような姿になっていたいかを描くことです。 志望理由書では高校生活の話や大学で学びたいことに重点を置きがちですが、卒業後の将来像が明確であるほど、志望理由全体に説得力が生まれます。 大学側も、入学後に目的意識を持って学べる学生かどうかを確認するために、将来のビジョンを重視しています。

10年後の自分をイメージする際は、まず法学部卒業後のキャリアにはどのような選択肢があるかを知っておくことが前提になります。 法学部を卒業した先には、弁護士や検察官、裁判官といった法曹はもちろん、公務員、企業の法務部、国際機関の職員、政治家、法学研究者など、幅広い進路があります。 自分の関心やこれまでの経験と照らし合わせて、最も自分らしいキャリアを選んでください。

将来のビジョンを書く際のポイントは、できるだけ具体的に描くことです。 たとえば弁護士になりたいと書くだけでは不十分で、どのような分野で活躍したいのか、どのような社会課題の解決に取り組みたいのかまで踏み込んで書く必要があります。 国際機関で働きたいのであれば、どの機関でどのような役割を果たしたいのかを示すことで、ビジョンの解像度が上がります。

ここで大切なのは、設問1で書いた学びたい内容と将来のビジョンがしっかりとつながっていることです。 大学で国際法を学びたいと書いたのに、将来のビジョンが国内の法律事務所で働くことだと、つながりが弱くなってしまいます。 法律への関心から始まり、大学での学び、そして卒業後のキャリアまでが一貫したストーリーになるように意識してください。

また、10年後のビジョンには、そこに至るまでの道筋も簡単に触れておくと効果的です。 大学院への進学を考えているのか、司法試験に挑戦するのか、あるいは留学を視野に入れているのかなど、大学卒業後のステップを示すことで現実味のあるビジョンになります。 夢を語るだけでなく、その夢に向かって具体的にどう進んでいくのかを書くことが差別化のポイントです。

【法学部向け設問3】関連する行動実績~法律学習、参加した模擬裁判、読んだ本

3つ目の設問は、法律への関心を行動として示してきた実績を書くことです。 志望理由書では言葉だけで熱意を伝えようとしても限界があります。 実際にどのような行動を起こしてきたかを示すことで、法学部への志望が本気であることを証明できます。

行動実績として書ける内容は多岐にわたります。 法律に関する本を読んだこと、模擬裁判や模擬国連に参加したこと、法律に関係するボランティア活動をしたこと、弁護士や法律の専門家に話を聞いたこと、法律系のイベントやセミナーに参加したことなどが挙げられます。 特別な活動をしていなくても、日頃から法律ニュースに関心を持ってノートにまとめていたというような地道な取り組みも立派な行動実績です。

本を読んだことを書く場合は、書名と著者名を正確に記載した上で、その本から何を学んだのかを自分の言葉で説明することが重要です。 ただ読みましたと書くだけでは、本当に内容を理解しているのかが伝わりません。 その本のどの部分に感銘を受けたのか、あるいはどの議論が自分の考えを深めるきっかけになったのかを具体的に書きましょう。

模擬裁判や模擬国連への参加経験がある場合は、どのような役割を担ったのか、そこでどのような学びを得たのかを書くと効果的です。 ただし、行動実績を羅列するだけの書き方は避けてください。 一つひとつの経験が、法学部を志望する気持ちをどのように強めたのかという因果関係を示すことが大切です。

行動実績がまだ少ないと感じている方は、今からでも遅くはありません。 法律入門の書籍を読む、新聞の社説を毎日チェックする、地域の法律相談会を見学するなど、高校生でもできることはたくさんあります。 大切なのは何か一つでも実際に行動に移し、そこから得た気づきを自分の言葉で語れるようにしておくことです。

【法学部向け設問4】法律ニュースへの分析~今年の判例やニュースからの思考

4つ目の設問は、最近の法律に関するニュースや判例について自分なりの分析を述べることです。 この設問は、法学部の志望理由書において特に差がつきやすいポイントです。 なぜなら、時事問題に対して法的な視点から分析できる力は、法学部で学ぶ上で不可欠な素養だからです。

ニュースの選び方にはコツがあります。 まず、自分の関心テーマと結びつくニュースを選ぶことが基本です。 設問1で書いた学びたい分野や設問2で書いた将来のビジョンと関連するニュースを取り上げることで、志望理由書全体の一貫性が強まります。

たとえば国際法に関心があるなら国際的な条約や紛争のニュース、憲法に関心があるなら基本的人権に関わる裁判の動向、環境法に関心があるなら環境規制に関する判例や法改正を取り上げると良いです。 ニュースを選んだら、そのニュースの概要を簡潔にまとめた上で、法的な観点からどのような問題があるのかを分析してください。 単に感想を述べるのではなく、法律の原則やルールに照らして考えるという姿勢が求められます。

分析の際には、賛成か反対かという二項対立的な意見だけでなく、この問題にはこのような法的論点があり、それに対して自分はこう考えるという多角的な視点を示すことが効果的です。 高校生の段階で完璧な法的分析をする必要はありませんが、法律的な考え方をしようとする姿勢そのものが評価の対象になります。 試験官は、この受験生は法学部に入ってからも社会の問題を法的な視点で捉えられる人材かどうかを見ています。

ニュース分析の情報源としては、新聞の社説や論説記事、NHKのニュース解説、法律の専門家が書いたウェブ記事などが参考になります。 スマートフォンで読めるニュースだけでは情報の深さが足りないことが多いので、できれば紙の新聞や週刊誌のニュース解説にも目を通しておくことをおすすめします。 日頃から法律に関するニュースを意識的に集めておくと、志望理由書を書く段階でスムーズに取り組めます。

【法学部向け設問5】法学の研究者と研究内容~教授の研究を調べる方法

5つ目の設問は、志望する大学の法学部にどのような教授がいて、どのような研究を行っているかを調べ、自分の関心との接点を見つけることです。 この設問は、その大学でなければならない理由を示す上で非常に重要な要素です。 法学部であればどこでも良いのではなく、まさにこの大学のこの教授のもとで学びたいという具体性があることで、志望の本気度が伝わります。

教授の研究内容を調べる方法はいくつかあります。 まず、志望する大学の公式ウェブサイトにある教員一覧やゼミ紹介のページをチェックしてください。 多くの大学では、教授ごとの専門分野や研究テーマ、担当科目が掲載されています。

次に、その教授が書いた著書や論文を実際に読んでみることが大切です。 すべてを読む必要はありませんが、少なくとも1冊は読んで内容を理解しておくと、志望理由書に具体的な記述ができるようになります。 大学の図書館や公立図書館で借りることができますし、書店で購入して手元に置いておくのも良い方法です。

教授の名前をインターネットで検索すると、講演やインタビューの記事が見つかることもあります。 こうした情報を活用して、その教授がどのような問題意識を持って研究に取り組んでいるのかを把握しておきましょう。 教授の研究テーマと自分の関心テーマが重なるポイントを見つけることが、この設問の核心です。

志望理由書に教授の名前を書く際は、必ずフルネームで正確に記載してください。 教授か准教授かなどの肩書きが分からない場合は、先生と表記すれば問題ありません。 名前を間違えると印象が大きく悪くなりますので、何度も確認するようにしましょう。

また、オープンキャンパスに参加して教授や在学生に直接話を聞いた経験があれば、それも強力な材料になります。 実際に足を運んだという行動力と、その場で感じたことを自分の言葉で語れることが、志望理由書の説得力を一段と高めてくれます。 設問1から4までの回答と教授の研究内容が結びついたとき、志望理由書は完成に近づきます。

法学部志望の合格者実例~国際法による平和構築

ここからは、実際に法学部に合格した先輩の志望理由書を紹介します。 この合格者は、広島市で育ち被爆の歴史に触れる中で国際平和に対する強い問題意識を持ち、国際法を通じた平和構築を志して法学部に進学しました。 5つの設問にどのように答えたのかを見ていきましょう。

設問1では、幼少期から受けてきた平和教育を原体験として、国際法を学ぶ決意に至った経緯が書かれています。 被爆建物を訪れた体験や、元外務大臣から直接話を聞いた経験を通じて、法の支配なくして国際平和は実現できないと確信したという流れになっています。 そこから、憲法や行政法などの公法分野の基礎を固めた上で、国際公法や国際人道法を深く学びたいという具体的な学習計画が示されています。

設問2では、10年後に国際機関で平和構築に携わる法務官として働きたいというビジョンが明確に描かれています。 国際連合や国際司法裁判所などの具体的な機関名を挙げ、核兵器禁止条約の実効性を高めるという課題に法律の専門家として取り組みたいとしています。 広島で育った自分だからこそ持てる核廃絶への思いを国際法の実務で生かしたいという点に、この受験生ならではの説得力があります。

設問3では、元外務大臣への取材、国際法に関する書籍の読書、模擬国連への参加という3つの行動実績が挙げられています。 特に大沼保昭氏の著書から法の支配と国際平和の関係を深く理解した経験が具体的に書かれています。 また模擬国連でフランス大使役を務め、核軍縮について各国の立場から議論した体験が、国際交渉における法的根拠の重要性を実感させたと述べられています。

設問4では、韓国によるGSOMIA破棄のニュースを取り上げ、二国間条約の安定的な履行が国際秩序の根幹であるという法的分析がなされています。 政治的対立を理由に安全保障上の合意を覆すことが法の支配の弱体化を意味するという指摘は、法的な思考力を感じさせる内容です。 時事問題を法律の視点から分析するという設問の趣旨に合致した回答となっています。

設問5では、慶應義塾大学法学部の細谷雄一教授の研究内容が取り上げられています。 世界史の授業をきっかけに教授の著書を読み、国際秩序と法の支配について体系的に学んだ経験が述べられています。 教授の研究分野と自分の学びたい内容が重なることを示し、その大学でなければならない理由を明確に打ち出しています。

合格者の5つの設問への回答分析~法の支配を通じた平和をいかに実現するか

この合格者の志望理由書が優れている最大のポイントは、5つの設問への回答が一つの太い軸で貫かれていることです。 その軸とは、法の支配によって国際平和を実現するという信念です。 すべての回答がこの軸に沿って書かれているため、志望理由書全体として非常に高い説得力を持っています。

設問1の原体験では、広島で平和教育を受けた経験と被爆建物への訪問が語られています。 これは単なるきっかけの紹介にとどまらず、なぜ法学を選んだのかという必然性を感じさせる内容になっています。 外務大臣への取材というエピソードも加わることで、平和への関心が法律の世界へとつながった過程が自然に描かれています。

設問2の将来ビジョンでは、国際機関の法務官という具体的な目標が示されています。 10年後の姿がぼんやりしている志望理由書が多い中で、このレベルの具体性があると試験官に強い印象を与えることができます。 しかも、核兵器禁止条約や東アジアの領土問題など、現実の国際課題に触れている点がビジョンの現実味を高めています。

設問3の行動実績では、ただ活動を並べるのではなく、それぞれの経験から何を学んだかが丁寧に書かれています。 本を読んだ、模擬国連に参加した、資料館で資料を閲覧したという行動の一つひとつに、法学への理解を深めたという成果がセットで語られている点が効果的です。 行動実績は量ではなく質が大切であることをこの実例はよく示しています。

設問4のニュース分析では、GSOMIAという具体的なトピックを法的な視点から分析しています。 感情的な意見ではなく、国際法の原則に照らして問題を捉えようとしている姿勢が高く評価できるポイントです。 法的枠組みの実効性を高めるための制度設計の必要性に言及している点も、法学部で学ぶ意欲の高さを示しています。

設問5の教授調査では、単に教授の名前と専門分野を書くだけでなく、その教授の著書を実際に読んだ上で自分の学びにどうつながったかが書かれています。 高校の世界史の授業がきっかけとなり、教授の研究にたどり着いたという流れも自然です。 大学側が最も知りたいのは、この受験生はうちの大学で本当に学びたいことがあるのかという点であり、この回答はその問いに正面から答えています。

法学部の志望理由書テンプレート~5つの回答を論理的に統合する

5つの設問に答えた後は、それらを一つの志望理由書として統合する作業に入ります。 5つの回答をそのまま順番に並べるだけでは志望理由書としてのまとまりが生まれません。 論理的な流れを意識して、一つのストーリーとして読めるように構成することが大切です。

志望理由書の基本的な構成は次のような流れになります。 まず法律に関心を持ったきっかけとなる原体験から入り、次にそこから生まれた学びたいテーマを示します。 そしてその学びを深めるために行ってきた行動実績を述べ、時事問題の分析を通じて法的思考力を示した上で、最後にこの大学のこの教授のもとで学びたいという結論につなげます。

ただし、この順番は絶対ではありません。 書き出しを将来のビジョンから始めるという構成も効果的です。 自分にとって最も説得力のある要素を最初に持ってくることで、読み手の関心を引きつけることができます。

統合の際に注意したいのは、各設問の回答が重複しないようにすることです。 設問ごとに答えた内容にはどうしても重なる部分が出てきますが、志望理由書にまとめる段階ではその重複を削ぎ落とし、最も効果的な部分だけを残すようにしてください。 字数制限がある場合は特に、無駄のない構成が求められます。

800字の志望理由書であれば、原体験の紹介に150字程度、学びたい内容と将来のビジョンに250字程度、行動実績とニュース分析に200字程度、教授の研究との接点に150字程度、締めくくりに50字程度を目安にすると全体のバランスが取りやすくなります。 あくまで目安ですので、自分の内容に合わせて調整してください。 大事なのは、どの部分も過不足なく盛り込まれていることです。

法学部志望の書き出し~5つの回答から最も説得力のある始まりを選ぶ

志望理由書の書き出しは、試験官が最初に目にする部分であり、第一印象を決める重要なパートです。 ここで関心を引くことができれば、その後の文章も好意的に読んでもらえる可能性が高まります。 逆に書き出しがありきたりだと、最後まで印象に残らない志望理由書になってしまいます。

書き出しのパターンとしては、大きく分けて3つの方法があります。 1つ目は原体験から始める方法で、法律に関心を持ったきっかけとなるエピソードを冒頭に置くスタイルです。 個人的な体験から入ることで、読み手を引き込む効果があります。

2つ目は将来のビジョンから始める方法です。 10年後にどのような法律家になりたいのかを最初に宣言することで、強い意志と目的意識を冒頭で示すことができます。 この書き出しは、将来の目標がはっきりしている方に向いています。

3つ目は社会課題やニュースから始める方法です。 自分が関心を持っている法律上の問題や最近の出来事を冒頭に提示し、そこから自分がなぜ法学を学びたいのかへとつなげていくスタイルです。 社会問題への問題意識が強い方には効果的な書き出しです。

どの書き出しを選ぶかは、5つの設問への回答の中で最も自分らしさが表れている部分を基準に判断してください。 自分が最も熱く語れるテーマを冒頭に持ってくることが、説得力のある書き出しにつながります。 ただし、どの書き出しを選んだとしても、冒頭の2~3文で読み手の関心を引き、その後の展開への期待を持たせることを意識しましょう。

避けたい書き出しとしては、私が法学部を志望する理由は3つありますのような機械的な始め方があります。 また、幼い頃から法律に興味がありましたのようなぼんやりした書き出しも印象に残りにくいです。 具体的な場面やエピソードから始めることで、試験官の目に留まる志望理由書になります。

法学部志望の本文の書き方~法律思考を示す統合方法

本文の書き方で最も重要なのは、法的な思考力が伝わる文章を書くことです。 法学部の志望理由書は、文学部や経済学部のそれとは求められる思考の質が異なります。 事実を正確に捉え、そこから論理的に結論を導くという法律的な考え方が文章の端々ににじみ出ていることが理想です。

具体的には、主張には必ず根拠をセットで書くという習慣を身につけてください。 たとえば、国際法を学びたいですという主張をするなら、なぜ国際法なのか、国際法のどのような側面に関心があるのか、その関心はどのような経験から生まれたのかという根拠が必要です。 根拠のない主張は説得力を持ちません。

本文を書く際には、一つの段落に一つのテーマという原則を守ってください。 一つの段落の中に学びたい内容と行動実績と将来のビジョンが混在していると、読みにくくなります。 段落ごとにテーマを分けることで、文章に論理的な構造が生まれます。

また、抽象的な表現はできるだけ具体的な表現に置き換えるようにしましょう。 社会に貢献したいですという抽象的な表現よりも、国際人道法の実効性を高めることで紛争地域の民間人の保護に貢献したいですという具体的な表現の方が、法学部の志望理由書としてふさわしい内容になります。 具体性があるほど、試験官はこの受験生は本当に法律について考えているのだと感じます。

文章全体のトーンについても気をつけたいポイントがあります。 志望理由書は感想文ではありませんので、法律って面白いと感じましたとか、すごく感動しましたというような感情的な表現は控えめにしてください。 代わりに、法的枠組みの実効性に課題を感じましたとか、法の支配の重要性を再認識しましたというように、分析的な視点を含む表現を使うことで法学部にふさわしい文章になります。

文末はですます調に統一することが基本ですが、志望理由書によってはである調を求められる場合もあります。 どちらを使うにしても、一つの文章の中で混在させないことが大切です。 大学の募集要項に指定がない場合は、ですます調の方が丁寧な印象を与えるため無難です。

法学部のNG志望理由書と改善~法律への理解が浅い例

最後に、法学部の志望理由書でよくあるNG例とその改善方法を解説します。 失敗例を知っておくことで、自分の志望理由書に同じ問題がないかをチェックすることができます。 ここで紹介するNG例に心当たりがある方は、早めに修正に取り掛かりましょう。

まず多いNG例が、法律に興味を持ったきっかけがテレビドラマや漫画だけで終わっているケースです。 弁護士ドラマを見て法律に興味を持つこと自体は自然な入り口ですが、そこから先の発展がなければ志望理由としては弱いです。 ドラマがきっかけだったとしても、その後に法律の本を読んだとか、実際の裁判のニュースを追いかけるようになったといった深まりを示す必要があります。

次に多いのが、法学部でなくても実現できる内容を書いてしまうケースです。 たとえば、困っている人を助けたいから法学部を志望しますという内容は、福祉学部や教育学部でも実現できる目標であり、なぜ法学なのかが明確ではありません。 法律という手段でなければ解決できない問題に関心があるということを示す必要があります。

また、その大学でなくても良い内容になってしまっているケースも多く見られます。 法律を深く学びたいですという志望理由は、どの大学の法学部にも当てはまってしまいます。 設問5で調べた教授の研究内容やその大学独自のカリキュラムに触れることで、この大学だからこそ志望しているという点を明確にしてください。

さらに、法律用語を正確に使えていないケースも要注意です。 法律のことをよく理解していないまま専門用語を使うと、かえって知識の浅さが露呈してしまいます。 自信のない法律用語は無理に使わず、自分の言葉で正確に伝えることを優先してください。

もう一つよくあるのが、行動実績がまったくないケースです。 法律に興味がありますと書いているのに、本を一冊も読んだことがなく、関連するイベントにも参加したことがないとなると、本当に興味があるのかと疑われてしまいます。 志望理由書を書き始める前に、少なくとも一つは具体的な行動を起こしておくことを強くおすすめします。

改善のためにまず取り組んでほしいのは、自分の志望理由書を第三者に読んでもらうことです。 学校の先生や塾の講師に見てもらい、どこが弱いのか、どこが伝わりにくいのかを指摘してもらいましょう。 自分では気づけない問題点が見つかることが多いですし、客観的なフィードバックを取り入れることで志望理由書の完成度は格段に上がります。

志望理由書は何度も書き直すものです。 一度で完璧なものが書ける人はほとんどいません。 5つの設問に丁寧に答え、何度も推敲を重ねることで、あなたの熱意と適性が伝わる志望理由書が完成します。

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